おはようございます。
東京都内で行政書士事務所を営む倉橋 尚人と申します。
会社の重要な決まり事が書かれている定款は会社の憲法とも呼ばれています。
会社設立の際には作成が義務付けられておりますが、作成するためにはそれなりの時間と手間がかかります。
このブログにおいて定款について解説するとともに、会社設立の一助となれば幸いです。
定款とは
冒頭でも述べたように、会社の決まり事・ルールを記載した会社において重要な書類になります。
会社設立時には作成することが義務付けられており、記載すべき内容は法律により決められています。
記載する内容は、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分かれております。
会社設立時に作成した定款は、公証役場で認証してもらうことも必要です。
公証役場で認証してもった定款は法的な効力を持ち、会社の根拠となりえます。
定款は紙媒体でも電子媒体でも作成することが可能です。
定款に記載する内容
定款に記載する内容は、大きく3つに分けられております。
各内容にて、以下のとおりとなります。
絶対的記載事項
定款に必ず記載しなければならない5項目です。
会社法27条において定められており、この内容に違法性や誤りがあれば定款そのものが無効となります。
【絶対的記載事項】
商号
事業目的
本店所在地
設立に際して出資される財産の価格または最低額
発起人の氏名または名称および住所
相対的記載事項
必ずしも定款に記載しなくても問題ないが、記載がない場合はその事項について有効とはなりません。
会社設立時に決めた内容が無駄になってしまいます。
【相対的記載事項】
株式の譲渡制限に関する規定
株主総会の議決権を持つ株主が頻繁に変わると会社運営に混乱をきたします。これを防ぐための規定として株式の譲渡制限に関することについて記載します。「株式を譲渡するには株主総会の承認を受けなければならない」など
株主総会の招集通知を出す期間の短縮
株主総会を招集するためには通常2週間前までに通知を出さなければなりませんが、定款によって短縮することができます。
役員の任期の延長
役員にはそれぞれ任期があり、非公開会社であれば定款に記載することで最大10年延長することができます。
株券発行の定め
定款に株券発行の定めがなければ、株券不発行会社となります。
変態設立事項
会社の財産に大きく影響する重要なものを変態設立事項といいます。
現物出資・財産引受・発起人の報酬・設立費用
任意的記載事項
定款に記載する必要のない事項です。
法律や公序良俗に反しない限り任意で決めた事項を記載することが可能です。
ただ定款に記載している以上、内容を変更したい場合は定款変更の手続きが必要になります。
任意的記載事項の項目については、定款に記載がなくても社内規定などに明記することによって効力が認められます。
【任意的記載事項】
株主総会の開催規定
役員報酬に関する事項
事業年度
スケジュールの確認
インターネットなどの宣伝でよく『会社設立 最短1日』ということを目にします。
これは基本事項がすでに決まっていて、事前準備が整っていることが前提となるため、簡単に1日で会社設立することはできません。
【会社設立までのフロー】
- 基本事項の取り決め
- 定款作成
- 定款の認証
- 登記申請
定款の認証で必要な書類もあるため事前に準備をしておきましょう。
【定款認証で必要なもの】
・収入印紙(4万円分) ※電子定款であれば不要
・発起人の印鑑証明書
・発起人の実印
・身分証明証
・委任状
専門家に依頼すべきか
ご自身で定款を作成するためには、専門知識がなければ難しく時間と手間を要します。
ただ時間と手間をかければ定款を作成することは可能です。
たとえば行政書士に相談するメリットについては以下のようなものがあります。
・定款の内容のチェックをしてもらう、アドバイスがもらえる
・費用を捻出して定款作成を依頼し、創業準備を進めることができる
・許認可事業を始める場合については、許可申請の相談・代理申請を依頼することができる
・人脈を駆使して会社登記まで進められる。設立後も経営のフォローをすることが可能
まとめ
今回は定款にスポットを当てて解説しました。
インターネットでも定款のフォーマットを入手することは可能です。
時間や手間を惜しまないのであれば、ご自身で定款を作成することも可能です。
ただ定款が有効なものでなければ、会社設立をすることはできません。
ご自身で作成した定款であっても、専門家に内容の確認をしてもらうことだけでも大切です。
もちろん定款作成をそのまま依頼することも可能です。
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