キャリアアップ助成金申請とは!?概要や申請の流れ、活用の意図を解説

補助金・助成金

おはようございます。

東京都内で行政書士事務所を営む倉橋 尚人と申します。

支給の要件を満たすことで国や地方自治体から支給される助成金。

厚生労働省のキャリアアップ助成金非正規雇用労働者の労働条件の改善を図るために設けられた助成金となります。

非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を検討されている場合は、キャリアアップ助成金を活用することを検討してはいかがでしょうか。

この解説が少しでもお役に立てれば幸いです。

  →→助成金の解説についてはこちら

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金とは、非正規雇用労働者の雇用安定や処遇改善を実施する事業者を助成する制度です。

非正規雇用労働者は自由な働き方ができる一方で、キャリア制約や賃金の低さなどが指摘されてきました。

非正規雇用労働者が増える中で、キャリアアップ助成金が誕生しました。

事業主としても非正規雇用労働者のキャリアアップを促すことで、人材の確保や安定的な経営をすることが可能となります。

   →→出典 厚生労働省 キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金の対象事業主

キャリアアップ助成金は後述のとおり、コースごとで支給条件が異なります。

全コースにおいて、共通の条件は以下のとおりです。

  •  雇用保険の適用事業所の事業主
  •  雇用保険の適用事業所ごとにキャリアアップ責任者を置く事業主
  •  雇用保険の適用事業所ごとに該当する労働者のキャリアアップ計画書を作成し、労務局に認定された事業主
  •  各コースに該当する労働者の雇用状況を示す書類を用意し、賃金の算出方法が明確な事業主
  •  キャリアアップ計画期間中に、キャリアアップに取り組んだ事業主

キャリアアップ助成金の種類とコース

キャリアアップ助成金は事業主の取り組みにより、「正社員化支援」と「処遇改善支援」と2種類に分かれます。

その中でさらにコース分けされており、コースによって支給条件や支給額が違います。

【正社員化支援】

 ・正社員化コース

 ・障害者正社員化コース

【処遇改善支援】

 ・賃金規定等改定コース

 ・賃金規定等共通化コース

 ・賞与・退職金制度導入コース

 ・短時間労働者労働時間延長コース

 ・社会保険適用時処遇改善コース

以下で詳細を解説していきます。

正社員化支援

正社員化支援における2コースの申請手順

  1. キャリアアップ計画を作成し、正社員化の前日までに労働局かハローワークへ提出して認定を受ける
  2. 正社員の規定がなければ、就業規則を作成してから労働基準監督署へ届出
  3. 就業規則などに基づいて正社員化
  4. 正社員化してから3%以上増額した賃金を6か月以上支払う
  5. 6か月の賃金支払いを終えた翌日から2か月以内に助成金申請を行う
  6. 審査に通過したら助成金受領

正社員化支援 正社員化コース

正社員化コースは非正規雇用労働者が正規雇用労働者と同じ待遇で雇用されることを目的としています。

非正規雇用労働者が事業主によって、就業規則などにより定められた条件で正社員に転換・直接雇用される場合に適用されます。

一定の要件を満たすことで加算措置があり、上記助成額に加え1人当たり28万5,000円が加算されます。

正社員化支援 障害者正社員化コース

障害のある非正規雇用労働者が正社員に転換された場合、障害者正社員化コースの対象となります。

処遇改善支援

処遇改善支援における5コースの申請手順

  1. キャリアアップ計画を作成し、各コースの取り組み前日までに労働局かハローワークへ提出して認定を受ける
  2. 各コースの支給支援に基づいて賃金の改定や社会保険加入などの取り組みを実施する
  3. 取り組み開始後、賃金を6か月支払う

(賞与・退職金制度導入コースは初回の賞与支払い、または6か月以上の退職金積立て)

 4.6か月の賃金支払いを終えた翌日から2か月以内に助成金申請を行う

 5.審査に通過したら助成金受領

処遇改善支援 賃金規定等改定コース

賃金規定等改定コースは、事業者が非正規雇用労働者の賃金規定を改定し3%以上昇給した場合が対象となります。

従業員が職務の大きさにあった処遇かどうかを判断したうえで、賃金の昇給を行うと中小企業20万円、大企業15万円が1事業所あたり1回加算されます。

処遇改善支援 賃金規定等共通化コース

就業規則や労働協約をもとに、有期雇用労働者などに対して正社員と共通の職務や責任に応じた賃金規定などを作成し適用した場合は賃金規定等共通化コースの対象となります。

処遇改善支援 賞与・退職金制度導入コース

賞与・退職金制度導入コースは非正規雇用労働者に対して、賞与や退職金制度の導入を目的としています。

実施に向けて賞与支給や退職金積み立てを導入した場合が対象となります。

過去「諸手当制度共通化コース」で助成を受けている事業所は、このコースでの申請はできません。

処遇改善支援 短時間労働者労働時間延長コース

短時間勤務の非正規雇用労働者に所定労働時間の延長と処遇改善・社会保険への加入を行うことで短時間労働者労働時間延長コースの対象となります。

処遇改善支援 社会保険適用時処遇改善コース

新たに社会保険の適用を行った場合、社会保険適用時処遇改善コースの対象となります。

短時間労働者が年収の壁を意識せずに働くことができるよう2023年10月に新設されました。

社会保険適用時処遇改善コースは3つのメニューがあります。

  • 手当等支給メニュー

労働者に社会保険を適用させる際、「社会保険適用促進手当」の支給等により労働者の収入を増加させる場合に適用されます。

  • 労働時間延長メニュー

所定労働時間の延長により、社会保険を適用させる場合に適用されます。

  • 併用メニュー

1年目に手当支給メニューの取り組みを行い、2年目に労働時間延長メニューの取り組みを行った場合に適用されます。

まとめ

キャリアアップ助成金は非正規雇用労働者の労働条件の改善を図るために設けられた助成金となります。

労働環境を改善することで、従業員のスキルアップやモチベーションアップを図ることができ、経営の安定化につながります。

ぜひとも活用して、助成金獲得を目指しましょう。

申請について不明点や気になる点があるのであれば、法律専門家へ相談することが重要です。

経験のある法律専門家であれば、的確なアドバイスを得ることができます。

↓↓↓個人的にご相談されたい方はこちら

行政書士倉橋尚人事務所

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