おはようございます。
東京都内で行政書士事務所を営む倉橋 尚人と申します。
飲食店を始めたいと考える人が増えております。
しかし初めての飲食店開業では、何から始めていいかわからないことばかりです。
飲食店を開業したい場合、飲食店の営業許可を得る必要があります。
飲食店を開業するためのフローや許可取得に必要な書類を解説していきます。
これから開業する方のために少しでもお役に立てれば幸いです。
飲食店の営業許可
飲食店を開業するためには、飲食店の営業許可を得る必要があります。
無許可で飲食店営業を行うと、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課されます。(食品衛生法52条1項)
飲食店の営業許可を得るためには、管轄する保健所へ許可申請をして検査に合格することになります。
飲食店の種類によって、取得する許可が異なるためよく確認しましょう。
飲食店営業許可の要件
食品衛生責任者を置く
飲食店の営業許可を得るためには食品衛生責任者の設置は必須です。
食品を扱う店舗で、食品の衛生管理を行う人を食品衛生責任者といいます。
1店舗につき1人の食品衛生責任者を置く必要があり、1人が複数店舗を掛け持つことはできません。
≪食品衛生責任者となれる資格≫
栄養士
調理師
製菓衛生士
食鳥処理衛生管理者
船舶料理士
と畜場法に規定する衛生管理責任者/作業衛生責任者
食品衛生管理者又は食品衛生監視員の資格要件を満たす者
→→出典:東京都保健医療局
保険健所の施設検査を合格する
申請書類を準備して保健所の施設検査に合格する必要があります。
いきなり施設を準備して現地検査・・・とならないよう、検査に合格するための店舗設備かどうか事前に保健所に相談しましょう。
店舗工事完了後では時間的にも費用的にも大ダメージです。
資料として建物の図面や設備の資料などをもって保健所に相談に行きましょう。
飲食店営業許可を取得するまでの流れ
営業許可がなければ、飲食店を開業することはできません。
設定した飲食店の営業開始日に間に合うよう計画的に営業許可取得を目指しましょう。
- 保健所に事前相談する
まずは保健所に事前に相談します。
現地検査の基準や項目は都道府県で若干異なります。
相談をするためには店舗図面や設備の資料などを用意しましょう。
- 営業許可を申請
申請に必要な書類をそろえて保健所へ提出します。
個人の場合・法人の場合で若干書類がことなるため注意が必要です。
書類審査後に施設検査となるため、店舗内装工事完了の10日ほど前を目安に営業許可を申請します。
- 施設検査
提出した図面どおりに設備が設置されているか、施設の基準を満たしているか現地で確認を行います。
営業者の方の立会いが必須です。
- 営業許可証の交付
施設検査で合格となると営業許可証の発行となります。
交付予定日は検査のタイミングで伝えられることが多いです。
基準に不適合で不合格となった場合は、不適合箇所を改善して改めて再検査となります。
必要書類
飲食店営業許可の申請においては以下の書類を提出する必要があります。
念のため保健所へ相談するときに確認しましょう。
・営業許可申請書
・施設の構造および設備を示す図面
・食品衛生責任者の資格を証明するもの
・水質検査成績書(水道水・専用水道・簡易専用水道以外の水道を使用する場合)
・許可申請手数料
・〔法人〕登記事項証明書
→→出典:東京都保健医療局 手引き
施設検査のポイント
申請で提出された書類に不備がなければ施設検査となります。
施設検査は厨房やトイレなど様々な項目に対して基準をクリアする必要があります。
各項目については保健所にて確認しましょう。
居抜き物件
開業資金を抑えるために居抜き物件を利用することもあると思います。
「以前に飲食店を営業していた物件だから施設検査は合格するだろう」という考えは危険です。
飲食店営業中に『設備が壊れてそのままにした』『不要な施設・邪魔な施設を撤去する』ということはよく聞く話です。
(例 厨房と客室を区切る扉など)
居抜き物件であっても飲食店営業許可のための基準を満たしているか確認しましょう。
申請費用
管轄する保健所によって費用(手数料)は異なります。
参考までに東京都であれば、新規許可申請16,000円・継続申請8,900円となります。
関連する許認可申請
飲食店営業に関連性の高い許認可・届出です。
開業する店舗に合わせて申請・届出をしましょう。
▼深夜酒類提供飲食店営業開始届
深夜0時をすぎてアルコールを提供するお店
▼防火管理者の届出
収容人数30人以上の飲食店であれば防火管理者の届出が必要です。
防火管理者は受講して取得する必要もあります。
▼風俗営業許可
お店の営業形態に合わせて必要
▼菓子製造業許可
和菓子・洋菓子・パン・ケーキ類・あん類の製造・販売に必要
まとめ
飲食店営業許可について解説しました。
比較的簡単な申請ではありますが、書類の準備・保健所との日程調整など時間はかかってきます。
これから新しく店舗開業しようとしたときに、メニューや店舗内装、宣伝活動などやるべきことは多々あります。
その中で申請書などの書類準備は煩わしい作業になります。
この煩わしい作業を軽減(もしくは無くす)したいのであれば行政書士へ相談することがおすすめです。
行政書士であれば、忙しい開業者に代わり許可申請を行うことができます。
すべて行政書士に依頼しないまでも、不明点や気になる点の相談をすることもできます。
この記事が開業者様の手助けに少しでもなることを祈っております。
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