遺産分割協議書の解説。自分で書くための書き方・注意点など

相続

おはようございます。

東京都内で行政書士事務所を営む倉橋 尚人と申します。

相続において、遺言がなかった場合に遺産分割協議を行います。

前回のブログにて遺産分割協議について解説しました。

   →→遺産分割協議について(遺言のない相続)

今回は遺産分割協議を行った後、協議内容を書き記す『遺産分割協議書の書き方』について解説したいと思います。

遺産分割が終わった後は、トラブルを避けるためにも必ず遺産分割協議書を作成します。

また相続財産の名義変更をする際にも遺産分割協議書が必要となってきます。

【遺産分割協議書を作成する目的】

▼トラブルを避ける

 遺産分割協議が終わっても、分割内容に不服がある人は後になって「合意をしていない!」というようなことを言ってきます。

また後になって「別の財産も欲しい!」と思う人もいるかもしれません。

そのようなことを防ぐために、遺産分割協議後速やかに『相続人全員の署名・捺印』のある遺産分割協議書を作成します。

▼相続手続きをする

 作成した遺産分割協議書を使い、名義変更などの相続を進めるために必要となります。

【遺産分割協議書作成の期限】

遺産分割協議書を作成する期限は特段ありません

しかしながら、相続税の申告は遺産分割協議の結果相続する財産の内容によって申告をします。

相続税申告は『相続があることを知った日から10か月以内』となっているため、相続税申告までには遺産分割協議書を作成しておくことが望ましいです。

【遺産分割協議書の書き方・ポイント】

遺産分割協議書の書き方に法的な決まりごとはありません。

一般的には以下内容を記載します。

  ▼被相続人(亡くなった方)の氏名

  ▼死亡日

  ▼最後の住所・本籍

  ▼「だれが」「なにを」相続するか

  ▼遺産分割協議が相続人全員で協議し、合意がなされた旨

  ▼作成年月日

  ▼相続人全員の署名・捺印

このうち「だれが」「なにを」相続するかについての、「なにを」ということが重要です。

遺産の種類によって記載すべき事項が異なります。

「なに」については、しっかりと遺産を特定して書き記すことが必要です。

《遺産を特定するために書き記す項目》

◇預貯金

銀行名・支店名・口座番号・名義人を記載

◇不動産

登記簿謄本どおりに記載

土地:所在地・地番・土地の種類・地積

建物:所在地・家屋番号・建物の構造・面積

◇有価証券

預けている証券会社名・発行会社名・株式数

◇債務・負債

債権者・債務残高・契約内容など

あとで判明した財産の取り扱いについても遺産分割協議書へ記載をします。

漏れの内容に遺産内容を確認することが重要ですが、後になって遺産が見つからないとは限りません。

一文を記載しておくだけで、遺産分割協議のやり直しを防ぐなどの対応をしておきます。

「後に見つかった遺産については、長男〇〇〇〇が相続する」など

遺産分割協議書が複数ページにわたる場合は契印をしましょう。

ページの境目に押印することです。

これにより書類の偽造・複製を防ぐことを目的としています。

最後に相続人全員で署名・捺印をする。これを相続人全員分全員用意し各自1部づつ所持する。

【遺産分割協議書の活用について】

遺産分割協議書が完成したら、名義変更などの相続を進めるために使用します。

◇預貯金の名義変更・解約払い戻し

申請の書式や必要書類は金融機関によってことなるため、事前に確認をしましょう。

◇不動産の名義変更

不動産については、法務局で相続登記をします。

その際に遺産分割協議書が必要となります。

◇有価証券の名義変更

相続人名義の証券会社口座を開設します。

その口座に名義変更した株券などを預け入れます。

名義変更の際に遺産分割協議書の他、必要書類があるので証券会社に確認をしましょう。

◇車の名義変更

車の名義変更は運輸支局で行います。

軽自動車は軽自動車検査協会が窓口となります。

遺産分割協議書は相続においてトラブルを防ぎ・遺産分割協議後の相続をスムーズに進めるために欠かせません。

ご自身で作成する際は、誤記のないよう作成します。

不安があるかたは法律専門家へご相談されることをおススメいたします。

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行政書士倉橋尚人事務所

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