遺産分割協議とは!?準備すべきこと。知っておくべきこと。注意点などを解説

相続

おはようございます。

東京都内で行政書士事務所を営む倉橋 尚人と申します。

相続において、遺言がなかった場合に遺産分割協議を行います。

前回までのブログで「相続人の調査」「相続財産の調査」というところを記載してきました。

   →→相続人の調査

   →→相続財産の調査

遺産分割協議を行うために、これらの準備を行っておく必要があります。

遺産分割協議とは簡単にいうと、被相続人が亡くなったために共有となっている財産を「だれに」「どのくらい分けるか」を話し合いにより決定させることです。

今回は遺産分割協議を解説していきます。

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合うことです。

民法898条の規定により、被相続人(亡くなった方)の財産は相続人全員の共有財産となります。

この共有となっている財産を分ける話し合いをすることが遺産分割協議となります。

遺産分割協議は相続人全員の参加が必須となります。

参加といっても、全員が一堂に会し話し合う必要はなく電話(テレビ電話)や手紙でのやり取りでも問題ありません。

話し合いがまとまったら、最後に遺産分割協議書を作成して相続人全員の署名・捺印がなされて遺産分割協議が終わります。

この『相続人全員の署名・捺印』が重要です。

「遺産を渡したくないといって特定の相続人を除く」「いわゆる隠し子が実は存在していた」など相続人全員が署名・捺印を行っていない遺産分割協議は無効となります。

全員の署名・押印があって、遺産分割協議の内容を相続人全員が『合意した』となります。

仮に遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判によって遺産を分割することとなります。

【遺産分割の期限】

遺産分割において、期限は決められていません。

しかしながら、相続税の申告は「相続があることを知った日から10か月以内」となっています。

この相続税申告を行うためにも、遺産分割協議を終わらせることが適しています。

もし遺産分割協議が長引き10か月以上となる場合は、一旦 法定相続分の相続税申告をして、遺産分割後に修正の申告をする必要があります。

もちろん相続税の基礎控除によって相続税がかからなければ、期限内に遺産分割協議を終わらせる必要はありません。

【遺産分割をしなかった場合】

遺産分割をせず、放置した場合は以下のようなリスクがあります。

 ▼共有者間での遺産を活用することが難しい

  売却する・賃貸にするなど共有者間で意見がまとまらず、活用しづらくなります。

 ▼相続人の誰かが遺産を使ってしまう可能性がある

  共有の財産を誰かが使い込んでしまい、トラブルとなることがあります。

 ▼相続税による特例を受けられなくなる場合がある

  「小規模宅地等の特例」「配偶者の税額軽減」などの特例を受けるためには、原則 期限内に

  相続税申告をする必要があります。

【遺産分割協議における注意点】

 ▼相続人に未成年者がいる場合

  親権者である親が代理して行います。

  親も遺産分割に参加する場合、親子の利害が対立すること(利益相反)になるため子供の代理として親が協議を行うことができません。

  その場合、家庭裁判所に申し立てを行い「特別代理人」を選任してもらうことになります。

  申立書には特別代理人候補者を記載します。

  候補者は利害関係のない親族や法律専門家などがなることができます。

  

  特別代理人が必要な場合に、選任してもらわず行った遺産分割協議は無効となります。

 ▼相続人に認知症の人がいる場合

  重い認知症で意思能力が欠如している人がいる場合は、遺産分割の前に家庭裁判所へ

  申し立てて成年後見人を選任してもらう必要があります。

  成年後見人が遺産分割協議に参加することとなります。

  

  遺産分割をきっかけに成年後見人を選任したとしても、遺産分割が終わって成年後見人が

  解任されるわけではありません。

  原則としては、本人が亡くなるまで成年後見人としての役割を担います。

 ▼音信不通で連絡が取れない相続人がいる場合

  家庭裁判所へ申し立てて、不在者財産管理人を選任してもらいます。

  さらに家庭裁判所の許可を得て、連絡が取れない相続人の代わりに遺産分割協に参加して

  もらいます。

▼遺産分割協議後に新たな遺産が見つかった場合

  遺産分割協議書に、「これ以外の遺産は~」などのように取り扱いが決まっていればそれに

  従います。

  取り決めがなければ、改めて遺産分割協議を行うこととなります。新たな遺産のみの分配

  だけでも、遺産全体として分配しなおす形でも可能です。

 ▼遺産分割協議後に遺言が見つかった場合

  相続人と受遺者の全員に対して遺言が見つかった旨を伝えなければなりません。

  相続人と受遺者全員の合意があれば、遺言と異なった遺産分割をすることは可能であり、

  遺産分割協議後に協議内容と異なる内容の遺言が見つかったとしても全員の合意があれば、すでに決まった遺産分割協議の内容を維持することも可能です。

  一人でも遺言内容どおりの遺産分割を主張した場合は、遺言内容に従って遺産分割をする必要があります。

遺産分割協議において、相続人全員が合意できるのであれば法定相続分どおりの相続をする必要はありません。

しかしながら、遺産分割がまとまらない、特定の相続人が協議に応じないなどトラブルとなる恐れがある場合には、早めに法律専門家へ相談することが必要です。

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行政書士倉橋尚人事務所

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