相続の手続きとその期間について。被相続人が亡くなってから3か月までに行うこと。

相続

おはようございます。

東京都内で行政書士事務所を営む倉橋 尚人と申します。

前回は相続についての全体的な解説をさせていただきました。

今回はその相続において全体的な流れ、手続きの期限などを解説していきたいと思います。

「なにを」「いつまでに」「どのような手順で」を説明出来たらと思います。

民法882条において、「相続は死亡によって開始する」とあり被相続人が死亡したタイミングで相続が開始されます。

被相続人が亡くなってからの目安としての期間を記載いたしますが、可能であれば早く手続きを進めたほうが良いものもございますのでご承知おきください。

死亡から7日以内

  死亡診断書の受け取り

  死亡届と火葬許可申請書の提出

  金融機関への連絡

死亡から14日以内

  年金の受給停止手続き

  国民健康保険の返却の手続き

  介護保険の資格喪失の手続き

  世帯主変更届

死亡から1か月以内

  遺言書の有無の確認

  遺言書の検認手続き

  相続人の確認

  相続財産の確認・調査

死亡から3か月以内

  遺産分割協議の開始

  相続放棄・限定承認の申述

【7日以内】死亡診断書の受け取り・死亡届と火葬許可申請書の提出

  亡くなった当日、あるいは翌日には医師から死亡診断書を交付してもらい、死亡届を市区町村へ提出します。

病気以外や不慮の事故で亡くなった場合は、警察を通して監察医から死体検案書を交付し

てもらいます。

死亡届は死亡証明書と一体となっており、死亡届に必要事項を記載し死後7日以内に火葬許可申請とともに市区町村へ提出します。

死亡届を提出すると住民票から抹消されます。この住民登録から抹消された住民票を「住民票の除票」といいます。

相続税申告・不動産登記などに使用されます。

【7日以内】金融機関への連絡

  金融機関へ連絡をすることにより、口座からの入出金を凍結します。

  なるべく早く連絡をしたほうが良いです。

  他の相続人などが引き出したりすることを防ぐためですが、葬儀費用や当面の生活費は別途準備しておく必要があります。

  仮に準備ができなければ、遺産分割前における預貯金の払い戻し制度を利用することになります。

【10日または14日以内】年金の受給停止手続き

  被相続人が厚生年金(共済年金)受給者だった場合、「受給権者死亡届(報告書)」を死亡後

  10日以内(国民年金は14日以内)に提出しなければなりません。

  提出先は年金事務所または年金相談センターになります。

【14日以内】国民健康保険の返却の手続き

  国民健康保険加入者は死後14日以内に各市区町村へ「国民健康保険被保険者資格喪失届」を提出し、保険証を返却しなければなりません。

  職場の健康保険に加入している方は、事業主が資格喪失手続きを行います。

【14日以内】介護保険の資格喪失の手続き

  介護保険についても、資格喪失の申請を各市区町村へ行います。

  

【14日以内】世帯主変更届

  被相続人が世帯主だった場合、同一世帯の方もしくは代理人が各市区町村へ「世帯主変更届」を提出します。

  変更後の世帯主は15歳以上であればなることができます。

【1か月以内(可能な限り早め)】遺言書の有無の確認

  遺言書の有無は相続に大きな影響を与えます。

  遺言の内容が相続分割において最優先されます。遺言内容を棄却することも可能ですが、

  相続人全員の合意が必要となり、棄却となるケースは少ない現状です。

  

  被相続人から遺言の有無を聞かされていない場合は、徹底的に探すことが重要です。

    【遺言書を保管しそうな場所】

     自宅-机の引き出し、仏壇、神棚、金庫

     入院先の病院

     入所施設

     貸金庫など

  

  自筆証書遺言は法務局で保管することができましたので、法務局(遺言書保管所)で確認を

  しましょう。

 

  公正証書遺言であれば、公証役場に原本が保管されますので遺言検索をしてもらいます。

  (最寄りの公証役場で全国的な検索が可能)

  生前に弁護士・税理士・行政書士などの法律専門家と付き合いがあった場合は、預かってもらっているケースもあります。

【1か月以内】遺言書の検認手続き

  見つかった遺言書が『自筆証書遺言』『秘密証書遺言』の場合、家庭裁判所にて検認をして

  もらう必要があります。

  家庭裁判所で開封しますので、絶対に開封してはいけません!

    ⇒⇒自筆証書について(検認についても説明しています)  

【1か月以内】相続人の確認

  遺産分割協議の前に必要となります。

  戸籍謄本などの書類を集めて、相続関係を把握して相続人の確認を行います。

  正確な相続人を把握して遺産分割協議を行う必要があり、後になって協議に参加して

  いない相続人がいると遺産分割協議自体が無効となります。

【1か月以内】相続財産の確認・調査

  相続財産は、預貯金や不動産などのプラスとなる財産も、負債などのマイナスとなる財産も

  すべて把握する必要があります。

  これらの財産をすべて把握するためには、時間を要する作業となります。早めに確認をする 

  ように心がけましょう。

【3か月以内】遺産分割協議の開始

  遺言書がなければ、相続人全員で遺産分割協議を開始します。

  「誰が」「どの財産を」「どのくらい」相続するかを協議します。

  

【3か月以内】相続放棄・限定承認の申述

民法915条1項 相続放棄・限定承認をする場合は相続があることを知った日から

3か月以内に家庭裁判所へ申述をしなければなりません。

被相続人が亡くなってから、3か月以内にこれだけのことを行う必要があります。

もちろんご家族が亡くなるので心の痛みを伴った状態での手続きとなります。

期限が決められている・早く手続きを行わなければならないものばかりですので、法律専門家へご相談することをおすすめいたします。

次回は3か月以降について綴っていきます。

↓↓↓個人的にご相談されたい方はこちら

行政書士倉橋尚人事務所

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